新しく開発された団地の一角。選んだのは、二面が道路に面した角地でありながら、大きな高低差ゆえに一般的な住宅計画が困難とされる傾斜地でした。この土地特有の制約を、私たちは「構造」と「意匠」の工夫によって、唯一無二の魅力へと転換しました。
■ 構造と空間の融合:基礎と擁壁の一体化 この土地の課題を解決したのが、**「建物基礎と擁壁を一体化させる」**という画期的な設計手法です。通常は別々に施工する基礎と土留めの擁壁を、計算し尽くされたひとつの構造体として作り上げました。これにより、斜面からの強い土圧に耐える圧倒的な強靭さを確保。それと同時に、デッドスペースになりがちな傾斜部分を有効活用することで、限られた敷地の中にゆとりある駐車スペースと家族の憩いとなる庭を、絶妙なバランスで生み出しています。
■ 柔らかな個性を放つ、Rを描く塗り壁の外観 建物の顔となる外装には、職人の手仕事が光る**「ぬりかべ」を採用しました。無機質になりがちな擁壁の力強さに対し、塗り壁特有の柔らかな質感が美しいコントラストを描きます。さらに、外観の随所に「R(曲線)」**を取り入れたデザインを施すことで、角地という開放的な立地において、街並みを優しく包み込むような優美なフォルムを実現しました。
■ 高効率・高断熱な住性能 機能面においても、一切の妥協はありません。住まいの基本性能として**「高断熱仕様」**を追求し、外気温に左右されない安定した室内環境を構築。そこに屋根一面の太陽光パネルによる自家発電と、家全体の空気を清浄に保つ第1種換気方式を掛け合わせることで、エネルギー効率を極限まで高めました。
厳しい敷地条件を、構造の革新と洗練された意匠によって「この土地でしか実現できないバランス」へと昇華させた、高性能な住まいがここに完成しました。
構造:木造2階建
延べ面積:135.38㎡ (36.9坪)
家族構成:夫婦2人・子供1人
2026-01-10